「夫婦善哉」が有名な戦中・戦後に話題を呼んだ作家の本を読みました。小説の世界観や登場人物の生き様、都市の空気観がいまの時代と少しも変わらないのには少し驚かされました。今年は
戦後65年の歳月の中で、成長し続けた日本の経済社会の中で、暮らしはぐんぐん便利になり、都市のデザインは日々センスアップされてきました。その中で、私たちは文化をすっかりどこかに忘れてきてしまったのでしょうか。あるいはここ20年あまりの景気の後退の中で、50年前の人々の感性や生活のあり方がフィードバックされたのでしょうか。いずれにしても織田氏の文学のもつ、個人主義・厭世観・小さな幸福感には感動させられたりしました。
私たちのモノ創りは決して芸術ではないけれど、生活に密着する多くの価値を商品化することをテーマにしているわけです。そこには人間の可能性や、日本人の感性、そして価値観に応えるものでなくてはならないもだと思わされました。行き過ぎた功利主義や、閉塞感の中で生まれた成果主義に追われてきた私たちの65年そのものがちょっと違っていたのかもしれません。貧しい生活の中にあっても、暗く臭い路地裏の住まいの中にもあっても必ずしも不幸とは限りませんものね。
写真は江戸川橋で見つけたかわいい商店街。
2010年9月2日木曜日
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